ZOOM MS-70CDR 空間系マルチでお勧め。

目次

デジタルエフェクターとコンパクトエフェクター

 

ギターソロにディレイ、バッキングにリバーブをかける、バンド内で音を馴染ませる為にディレイをかけっ放しに…等など、ギターを弾いていてエフェクトを使うことは多々あります。

そして、エフェクトはギタリストがやりたいことや、作りたい音色を出す為に今や必須なものです。

エフェクトが無いと雰囲気が出なかったり、音と音の繋ぎ目の雑さが目立ちますので、プロもアマチュアも関係なく使用しています。

そして、多くのミュージシャンは、コンパクト(アナログ)エフェクターを使っているのも事実です。

これだけ、デジタル機器が発達していても、音楽の世界ではアナログには到底敵わないのです。

デジタルエフェクターは、コンパクトエフェクターの音色に可能な限り似せるように作られており、コンパクトエフェクター「っぽい」音色を出せるようになっています。

それは極端な言い方をすれば「まがい物」や「偽物」と言えます。

音楽をやる人間は、出来る限り「本物」の音を出していたいと考えますので、やはりデジタルエフェクターは「妥協して使うもの」になります。

 

MS-70CDR空間系マルチ

 

このZOOM MS-70CDRは空間系のマルチエフェクターです。

ディレイやリバーブ、コーラス等、空間系と呼ばれるエフェクトしか入っていないという、何とも潔いマルチエフェクターです。

ギターで最も大切な「歪み」を別に用意して、空間系だけを担当することができます。

現在、アップデートを含めて137種類のエフェクトを搭載している為、MS-70CDRがあれば、他の空間系は必要ありません。

コンパクトのディレイやリバーブは確かに良い音色を出せますが、値段も高くなります。

ディレイ1個で15,000円くらいはします。それに対してMS-70CDRは、それっぽい音色が137個入って10,000円ほどで購入できます。

もちろん本物の音色では無いですし、妥協して使うものではあるのですが、それにしても驚くほどの価格差になります。

 

MS-70CDRのメリット、使い方

 

ギターを弾いていると空間系の使い方を考える場面があります。

空間系で代表的なディレイ、リバーブ、コーラス。これらを併用する場合。

1 コーラス:雰囲気をつける為に弱くかける。

2 ディレイ:バンドアンサンブルに馴染ませる為に常時薄くかける。

3 ディレイ:ギターソロ時に音の繋ぎ目を滑らかにする為にかける。

4 リバーブ:空間の演出、アンサンブルに馴染ませる。

といった使い方をするとして、コンパクトエフェクターでこれを再現しようと思った場合4つのエフェクターを使う必要があります。

この時点でペダルボードを圧迫しますし、持ち運ぶ数が増える為、重量が重くなります。更にコンパクトエフェクターを4つ買えば、1個15,000円として、60,000円という出費にパッチケーブル、電源問題も出てきます。

つまり、アマチュアのギタリストがこんな空間系の使い方をするのは現実的では無いのです。

コンパクトを使う場合、多くは1~2個の空間系エフェクターを使って、やりたいこと全部ではなく、使い道を限定して使っています。

 

しかしこの1~4の贅沢な使い方をMS-70CDRなら1個で可能にしてしまうのです。持ち運ぶ重量も軽く、パッチケーブルも必要無いので、コストも安い。

ただ、切り替えるスイッチが1つしか無く、4つの空間系を全て切り替えることは困難ではありますが。

現実的には コーラス→ディレイ→ディレイ(切り替え)→リバーブ のように、常時かけておくエフェクトと切り替える1個のエフェクトを用意することになります。

それでも、かなりコストを抑えられることがわかります。

 

「本物の音色ではない」と感じる方もいると思いますし、私自身もマルチを否定してきた人間でした。

ただ、バンドサウンドの中で「この空間系は本物だな」と聞き取れる人間がどれほどいるでしょうか。

私は聴き比べて見ましたが「自分でもよくわからない」というのが回答でした。MS-70CDRは十分に良いエフェクトです。

 

ギターを弾く人間は、ライブのときにギタリストを凝視します。そして足元のエフェクターを凝視します。

しかし、ギターを弾かない人の多くはボーカルを見ています。ボーカルの歌を聴きにきているのです。

そうであれば、ギタリストの仕事はボーカルをどうやって引き立たせるかということになります。

空間系を使うことで、雰囲気が変わったり、聞きやすくなったりします。ギターの音が聞きやすくなる為に空間系を使うなら、選択肢が多く、価格も安いMS-70CDRがお勧めです。