病院に勤務する精神保健福祉士の役割、必要性

 

目次

精神保健福祉士って何をする人?

 

精神保健福祉士は、支援職です。

ただ、精神保健福祉士を知らない人にとっての支援職とは非常に曖昧です。

 

最も多い働く場という病院の精神保健福祉士の業務は入退院の手続きや、年金の申請、手帳の申請、自立支援医療の申請等、手続き的な業務が中心です。

そこに、相談支援があります。その相談支援の結果、患者さまを退院に結び付けるという形を作ることになります。

精神保健福祉士の業務で最も「花形」となるのが退院支援です。

 

そもそも、精神保健福祉士がいることで、退院後の生活が少し楽になったりします。

 

 

精神保健福祉士は医療ではなく、生活を見る

 

病院に勤務している職種は医師、看護師が中心です。

病院に勤務しているわけですから、患者さまの治療を第一に考えることになります。

 

医療的な治療部分(投薬など)に精神保健福祉士は力を持ちません。

ここは医療の分野ですので、福祉職である精神保健福祉士が不必要に関わることはありません。

(投薬中も患者さまの意見を聞き、医師や看護師に伝える場合はあります)

 

精神保健福祉士の業務の多くは、その治療部分が落ち着いたときから始まります。

 

退院支援の実態

 

退院支援とは、患者さまが退院する為の調整を行うことです。

「え?そんなの普通に退院すればいいだけでは」

と考えられる方も多いと思いますが、精神科は他の科に比べ、患者さまの帰る場所がない場合が多くあります。

 

例えば

①精神疾患の為、単独で自立した生活を送るのは困難。

②家族、親族ともに「帰ってきてほしく無いから、病院に入院させていてほしい」

 

という状況がよくあります。

 

この状態では、病院側も退院させることができず、実は富山県内の精神科病院には40年以上も入院している患者さまもおられます。

 

「現実的には病気も落ち着いていて、退院可能だが、帰る場所がない」

 

といった状況を社会的入院と呼びます。

 

この状況は、医師や看護師だけでは打破することが難しい為、ここからが精神保健福祉士の出番です。

医療側が患者様の体調を整え、精神保健福祉士が生活を調整し、退院に向けて動き出します。

 

・どうやって地域で生活するのか

 

ということが精神保健福祉士に与えられた課題でもあります。

単身で生活するのか、家族の元で生活するのか、福祉サービスを利用するのか…等々

様々な選択肢の中から、患者さまに必要な要素を組み合わせ、医療と地域の調整役として、病院の精神保健福祉士は存在しています。