相談支援専門員の現実「チケット発券所」

目次

相談支援専門員とは

 

「相談支援専門員」という言葉は、あまり馴染みが無いものかもしれません。

わかりやすく言うと、介護分野でいう「ケアマネージャー」の障害分野担当です。

利用者さんと話をして、どんな生活がしたいか、その為にどんなサービスがあれば良いか等を一緒に考えていきます。

地域のワーカーとしては、花形とも言える職種です。

多くの場合、利用者さんには、サービス利用にあたって、この相談支援専門員が1人、つくことになります。(自分だけでサービスを利用することも可能です)

相談支援専門員は、基本的にその利用者さんに対する支援の中心となり、相談支援専門員無くしては、私たちガチョックのサービス利用も難しくなります。

正にケアマネージャーと言えるでしょう。

 

ガチョックが相談支援事業所にならない理由

 

相談支援専門員がいる事業所を相談支援事業所と呼びます。

ガチョックの中で、有岡と澤田は、相談支援専門員の研修を終えており、実は相談支援専門員になることができます。

その為、相談支援専門員としての知識、資格は持っていますが、実際に事業としては選択せずに、就労継続支援B型事業を選びました。

私たちは、地域の中で生活していますし、必要とあれば、訪問も行っていきます。その姿勢は、相談支援専門員に限りなく近いと言えるでしょう。

むしろ、私たちは相談支援専門員でもありたかったと思っています。

しかし、相談支援専門員として動くことに、非常なデメリットがあり、現時点での選択を辞め、就労継続支援B型事業所を営みつつ、サービス等利用計画は作れませんので相談支援専門員とまでは言いませんが、コミュニティワーカーとして活動していく道を選択しました。

 

相談支援専門員はチケット発券所

 

利用者さんの言葉で

「相談支援専門員は何もしてくれない、たまに来て、話を聞いていくだけ」

「相談支援専門員なんてチケット発券所だよ。サービスを使いたいときに電話して、計画を作ってもらうだけ」

等と相談支援専門員の不満を聞くことが多くありました。

もちろんごく一部の、良くない相談支援専門員にあたってしまった利用者さんが言っていた不満だと思いたいのですが、その言葉の裏には、実際に相談支援事業所が抱えている問題があります。

それは「相談支援専門員1人が受け持つ利用者さんの最大数が決まっていない」ことです。

ケアマネージャーは1人が受け持てる人数が決まっていますが、相談支援専門員にはそれが無いのです。

その為、相談支援専門員は私が知る範囲ですが、1人で100人以上を担当しています。

これは、どう考えてもまともな支援ができる体制ではありません。

私は、実際に状況を動かすような支援を行う場合、同時進行可能なのは2名が自分の能力だと、上手くできる範囲だろう考えています。

それ以上は、利用者さんそれぞれの支援が疎かになる可能性がある為、希望される方には待ってもらっています。

そう考えると100人を超える方を支援するというのは、人間のキャパシティを超えていると考えざるを得ません。

その事が大きな理由となり、相談支援専門員は利用者さんと一緒にいられる時間が非常に少なくなるのです。

そのことが、不満に繋がり、また、相談支援専門員も余裕が無い為、トラブルも起きやすくなります。

 

そして「(サービス利用の為の)チケット発券所」と呼ばれてしまいます。

 

この現状を考えると、ガチョックは、来ていただいた方にしっかり時間を使って、支援していきたいと考えていますので、

相談支援専門員になることはデメリットが大きいと判断し、就労継続支援B型を使って、生活の相談や、訪問まで行うことにしました。