会社勤めから、独立したことによって失ったもの「肩書き」

 

目次

属しているということ

 

独立することによって失うものは沢山あります。

その中で、会社勤めを辞めてから失ったと感じたものが肩書きです。

 

今までは「A福祉施設に所属している精神保健福祉士の澤田啓輔」として仕事をしていました。

それが独立したことによって「精神保健福祉士の澤田啓輔」となりました。当然ですが、仕事はありません。

支援の依頼を受けて、関係機関と調整することもありましたが、電話先で「何処の機関の方ですか?」と聞かれても答えるものを持っていません。

何も無いことを伝えると、露骨に不審がられ、結局私と連絡をとることを拒否されました。こういったことは会社勤めをしていた頃には経験したことはありませんでした。

会社勤めをしている間は気がつかなかったのですが、私という存在は会社の名前があって、成り立っていたということを痛感しましたし、私個人には何ら力が無い事実に情けない思いをしました。

 

何処にも属していない私は、今までと同じように働くことは不可能でした。

 

福祉職の集まり

 

福祉の世界でも、集まりはあります。

様々な役職の方と会議をしたり、研修を受けたりすることがありました。

その際も、「A施設の相談支援専門員の○○さん」に対して、私は「澤田啓輔」でしかありませんでした。

良い感情では無いのでしょうが、しっかりと働いている○○さんに対して、仕事が無い私は引け目を感じましたし、何とも言えない居心地の悪さがありました。

 

自分が10年ほど会社勤めをしていたことで得ていた自信は、その会社に属しているからこそ有効だったわけで、決して自分自身に向けられたものではなく

「A施設の精神保健福祉士」に向けられていたものだったと気がつきました。

 

1人の人間として生きていく

 

独立をしても、今までと変わらず仕事ができるかと思っていましたが、それは私の考えが甘かったと言えます。

肩書きを失ったことで、仕事が上手く回らなくなってしまいました。

 

独立した後は、会社勤めの頃と比べて、仕事への考え方を変える必要が出てきます。

会社勤めのころは、会社の名前で仕事が来ていました。

独立した後は、私の名前で仕事をもらってこなければいけません。

 

A福祉施設に相談してみるか

ではなく

澤田啓輔に相談してみるか

ということをしなければいけないのです。

 

その為、自分の責任で、自分を売り込み、仕事をいただく。

肩書きを使うのではなく、そうやって1人の人間として生きていくことが大切になります。

言いかえるならば、1人の人間として生きていくことを得たということになります。それは自分自身の望みでもあった為、精一杯生きていこうと考えています。